2010年10月08日

犬と急性膵炎 入院3日目

上を向いて歩こう 涙がこぼれないように

思い出す 秋の日 一人ぼっちの夜

悲しみは 星のかげに 悲しみは 月のかげに (作詞 永六輔)

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入院3日目

ぼたんが入院した日もそうだったが、その夜もまんじりとせず目が覚めた。

夫が急遽休暇をとって家に居てくれることになったので、少し安心して会社に行くことが出来た。

家族の姿を朝から見れば、ぼたんも少し元気が出るだろう。

会社の時計がじりじりと時を刻むのを見ながらつらつら考える。
もう会っている頃だろうか?
透析の効果は出ているだろうか?
昨日よりは元気だろうか?
夕方会えるだろうか?

お昼時間になるのを待って、携帯に連絡。

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「ぼたんはどうだった?」
「思ったより元気そうだった」

「透析のおかげで今朝は150mmほど尿が出てるんだって」
「良かった。BUN(尿素窒素)とクレアチニンの値は?」

「尿素窒素は少し下がってる、クレアチニンは上ってる。
 肝機能は昨日より悪くなってるみたいだ、
 でも透析が上手くいってるから先生が希望が持てるって」

そうか、良かった。腹膜透析は血液透析が出来ない犬にとって腎不全の最終手段だ。全く尿が出ない状態に陥った犬に未来はない。

クレアチニンが上っているということは腎不全は進行しているということ。
BUNが下がっているということは透析の効果があって少しづつでも体外に毒素が排出が出来ているということだ。

ただぼたんは急性ショックによる腎不全であり、慢性ではない。
膵炎が治まれば、回復する可能性はある。
肝不全も、慢性化したものではない。急性期を乗り越えることが出来れば・・・

急いで仕事を終えて、夕方二人でぼたんに会いに行こう。
きっと昨日より元気になるだろう。

少しだけ希望が見え、ミスタードーナツに行ったら店内商品が100円均一だったこともあって少し多めに買った。
夫も疲れてるだろうから、甘いものを食べながら見舞いの話をしよう。
なんてのんびり考えながら。

その電話から30分後、病院から電話があった。

「ぼたんちゃん、急変しました」

うそ、30分前には明るい兆しが見えたという話をしたばかりだ。

「夫が家に居るので、そちらにすぐ伺いますから」というと電話が切れ、夫から「すぐ病院に向かう」と電話が入った。

うそだ。うそだ。そんなにすぐ逝くわけがない。
せめて今日の夕方まで。
一緒に帰ると約束したのだから。
忠義なぼたんが私の居ない間に、遠くへ逝くなんて、ありえない。




15分後、肺出血による呼吸不全で亡くなったという電話が入った。

帰ってきたぼたんの体は丁寧に拭ってあったけど、ところどころに思わぬところに血しぶきの跡があった。

DICが進んでいたから、どこの部位で出血してもおかしくなかったのだが、呼吸器はやはり致命的だ。
SIRS(全身性炎症反応症候群)の中でも特に急性の急性肺障害(ALIまたはARDSと呼ばれる)は発症してまうと治療が難しいと言われいる。
臨終の場に居合わせた夫の話では、大量の喀血で辺り一面血だらけだったらしい。

今後の医学のために協力して欲しいということだったので解剖を承諾した。

あまりにも急な展開だったので、私自身も病態がよくわからなかったからきちんとした説明を受けたかった。

剖検結果は以前記録したとおりです。

帰宅すると動かなくなったぼたんが待っていた。

一緒に帰ろうって言ったのに何故待っててくれなかったんだろう。

何かの間違いじゃないか、ぼたんはまだ入院してるんじゃないのか、あの子は昨日まであんなに元気だったじゃないか。
動かないぼたんを見てもしばらく現実感が無かった。

その後は、自分が何か見逃したんじゃないのか、何故もっと早く見つけられなかったのか、他にも治療があったんじゃないのか、という自責と後悔ばかりが続いた。

このごろは、医療機関は精一杯のことをしてくれたし、自分も家族も出来る限りのことをした、どうしようもなかったんじゃないか、という無力感と諦念に変わりつつある。

ニックネーム てんてん at 00:26| Comment(6) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
皆全力で頑張ったんですよね。
ボタンを筆頭に
Posted by ロック父 at 2010年10月08日 06:41
ご無沙汰しておりました。
文章を読みながら目を疑いました・・・。
突然の訃報に私も涙が止まりません・・・。
産まれた時からママさんの写真を通してたくさんの方に笑顔をくれたぼたんちゃん。
たくさんの幸せをくれたぼたんちゃん、心からのご冥福をお祈り致します。
Posted by うり at 2010年10月08日 17:13
ロック父>

ぼたんは本質的に真面目っこの努力家だったので。
逝く間際、意識が無くなるまで優等生だったかも。
頑張っている姿を最期まで見せないなんてどこまで頑張りやさんなんでしょう。
飼い主としては誇らしいような、寂しいような複雑な気持ちです。
Posted by せれまま at 2010年10月08日 22:54
うりさん>

お悔やみありがとうございます。
本当にいつも嬉しそうな顔をして犬生を謳歌しているように見えたのですが、何が起こるかわからないものです。
うちで生まれ育った子だけに思い入れはひとしおだったかもしれません。
会者定離とはいうけど、早過ぎるという思いは今でもあります。
Posted by せれまま at 2010年10月08日 23:13
こんにちは

またお邪魔します

10日はぼたんちゃんの月命日なのですね
1ヶ月・・・おつらい時間の中でこんなに冷静にぼたんちゃんの様子を文にしてくださいまして、せれままさんの姿勢に頭が下がります

でも写真の可愛らしいぼたんちゃんを見るたびに嗚呼・・・と言葉になりません

セレナちゃん早くよくなるといいですね

皆様、お体大事になさってくださいませ

Posted by U子 at 2010年10月14日 13:08
U子さん>

こんばんは。

心のこもったコメントありがとうございます。
セレナはあんまり良くなくって来週皮膚科の専門医にかかる予定です。
ぼたんとそっくりのセレナ(お母さんだから当たり前だけど)がどんどん皮膚が痛々しくハゲてゆくのは辛いです。
こんなに薬が効かないなんてどうしてなのかしら?
自分の病院通いと相まって休日の大半が病院に通うことに費やされてしまうのも哀しい。
当たり前のことだけど、健康が一番ですね。
Posted by せれまま at 2010年10月16日 23:45